これは観光でも、単なる音楽鑑賞でもありません。
スメタナは、外界の音を失った後に、「内なる響き」(エコー)を書きました。
まるでベートーヴェンのように、失ったものが、音楽になった。
外に求めなくなった時、魂の音楽が内側から出現したのです。
その足跡を、この旅で辿ります。
ベドルジフ・スメタナ(1824〜1884)が連作交響詩《わが祖国》を作曲したのは、進行性の難聴が深刻化していた晩年のことでした。
彼は「聴こえない静寂」の中で、川や大地の記憶、民族の歴史を音楽へと変換し続けたのです。
この旅では、《わが祖国》が生まれた地を実際に訪れます。ヴィシェフラドの丘、ヴルタヴァ川の源流、フス教徒の聖地タボル——楽譜の向こうにある「現実の土地」に立つことで、音楽はまったく別の深さで聴こえてきます。
更に北方喜旺丈のレクチャー、北方邁羽の朗読、そして丸尾祐嗣のピアノ。三人の表現者が現地で織りなす「音楽と言葉の交響」が、皆様の旅を唯一無二の芸術体験へと昇華させます。
【水 · AQUA】
ヴルタヴァ川(モルダウ川)
スメタナが音楽に刻んだ川の記憶。源流から河口まで、その水が運ぶ歴史と旋律を辿ります。
【火 · IGNIS】
フス派の精神
15世紀の宗教改革者たちの炎。タボルの丘に今も燃え続ける、抵抗と信念の音楽です。
【沈黙 · TACUI】
五芒星の教会
「私は沈黙した」——聖ヤン・ネポムツキーが命がけで守った秘密。
その言葉が刻まれた建築空間へご案内いたします。
<第一の作用 · 音楽と数理>
北方 喜旺丈 Hirotake Kitakata
作曲家 · ECHO ARTIST・総合プロデューサー
音楽という究極のレンズを通して、あらゆる森羅万象を観る作曲家。
彼が提唱する『THE ECHO』とは、分断された世界から「いのちの旋律」を聴き取り、人間が失った自然の秩序と循環を取り戻すための芸術的実践です。
彼の視座は、単なる音楽理論の解説にはとどまりません。「スメタナの音楽はワーグナーから受け継がれた」としばしば指摘されますが、果たしてそれは真実でしょうか? ゼレナ・ホラ巡礼教会の「5」の幾何学は、音楽的構造としてどう響くのでしょうか?
あらゆる分野を「音楽」として読み解くその冷徹かつ美しい視点に触れたとき、参加者はチェコの大地そのものが、緻密に計算された巨大な「生命のスコア(楽譜)」であることに気づかされることでしょう。
<第二の作用 · 言葉と空間>
北方 邁羽 Mayo Kitakata
言霊朗読家・瞑想教師
数百年の沈黙に沈んだ「歴史の一次資料」に、極限まで研ぎ澄まされた声によって再び命を吹き込む表現者。
彼女の朗読は、単なるテキストの読み上げではありません。スメタナが失聴の絶望の中で綴った手記や、ヴィシェフラドの丘に響いた女王リブシェの建国の予言を、純粋な「言霊」として空間に放ちます。土地が記憶する風の音や水のせせらぎと彼女の肉声が重なり合うとき、過去のテクストは物理的な「現在」として、皆様の目の前に鮮やかに立ち現れます。
<第三の作用 · 巨大音響のミクロ的再構築 — 音楽の結実>
丸尾 祐嗣 Yuji Maruo
ピアニスト
曖昧な感覚に頼らず、物理法則と骨格の融合から圧倒的な音響空間をデザインする「響きの建築家」。
ロシア・ピアニズムの極意を研究・実践する彼は、フルオーケストラが放つ巨大な質量と複雑な声部を、たった1台のピアノで再現します。空間を支配する巨大な響き(マクロ)と、1音の狂いも許さない緻密な打鍵(ミクロ)の統率力。それが、旅の終着点において「巨大音響のミクロ的再構築」という奇跡を起こし、このツアーの五日間で身体に刻んだ「すべての記憶」を「ひとつの音楽」として結実させます。
《わが祖国》の6曲と呼応するように設計された、音楽と歴史の旅程。
5月6日(水) 第一音
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ヴィシェフラドの丘 ——予言と反響 |
午前、プラハ「Alchymist Grand Hotel」集合。 《わが祖国》第1曲の舞台、ヴィシェフラドの丘へ。女王リブシェが予言を語ったとされる場所でヴルタヴァ川を見下ろし、スメタナの墓参りをした後、プラハ錬金術博物館へ。 午後はディヴォカー・シャールカのハイキング(往復6km)。 ※オプション:ハイキングに参加されない方は、プラハ市内でのフリータイムをお選びいただけます。 夜:ヴルタヴァ川ディナークルーズ(19:00~22:00)
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5月7日(木) |
ヤブケニツェの森 |
スメタナが晩年に隠棲し、聴力を失った後も作曲を続けた森へ。深い静寂の中、北方邁羽による「スメタナ失聴時の手記」の朗読。
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5月8日(金) |
ゼレナ・ホラとブラニーク |
ゼレナ・ホラ巡礼教会——建築家サンティニが五芒星の平面図で設計した奇跡的な空間。
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5月9日(土) |
タボルとチェスキークルムロフ |
タボル——《わが祖国》第5曲の現場。15世紀、フス教徒が「神の法」を掲げ守り抜いた聖地。
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5月10日(日) |
ヴルタヴァ川の源流 |
シュマヴァ国立公園内、ヴルタヴァ川の最初の一滴が湧き出る場所へハイキング(往復14km)。源流の前で、北方邁羽による「ヴルタヴァ プログラムノート全文」の朗読。スメタナが言葉で書いた川が、目の前を流れます。 ※オプション:ハイキングに参加されない方は、「Kvildaの町での散策」または「チェスキークルムロフでのフリータイム」をお選びいただけます。 午後はプラハへ戻り、チェコの民謡とティンバロンのフォークロア・ディナー。
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5月11日(月) |
最終サロン |
プラハのピアノサロンにて。 北方喜旺丈による総括レクチャーの後、丸尾祐嗣によるカアン編《わが祖国》より『ヴィシェフラド』『ヴルタヴァ』『ブラニーク』三つの頂点を抜粋して生演奏。
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現地に立つ前に。ツアーの体験を最大化するために。
身体で、そして精神で「聴く」ための、4回のZOOMオンライン講座をご用意しました。
(ツアーに参加されない方でも、単独受講が可能です)
「チェコ国民音楽の父」の誰も語らなかった正体
チェコ語を母語とせず、日記をドイツ語で書き続けたスメタナが、なぜ最も「チェコらしい」音楽を作れたのか?スメタナが本当に影響を受けた作曲家たち、そして彼の音楽語法が形成された三つの場所と時間を辿ります。
外側から眺めた者の目が、最も深く故郷を見ることができるのです。
二人のヤン、五芒星の教会、そして川の底に沈む星
水のヤン(ヴルタヴァに沈んだ殉教者)と火のヤン(タボルを守った将軍)——この二つの極が《わが祖国》の精神構造を形作っています。
サンティニの五芒星建築と「TACUI(私は沈黙した)」の5文字が意味するもの。
「沈黙」は言葉が持てる、最も高い密度。
「5」という数字の意味。
そして錬金術、音楽、数字、構造のつながりを楽しんでいきましょう!
全体構造、螺旋(スパイラル)の上昇(アセンション)、そして還ってくる主題
《わが祖国》はなぜ「行って戻る」形をしているのでしょうか。ヴィシェフラト動機が最後に「同じ音」として戻ってきたとき、なぜまったく違う意味を持つのか。旅までに、音楽の「地図」を頭と身体に入れておきましょう。
またスメタナが、カアンが持ち込んだソロピアノ版の我が祖国の楽譜を見て絶賛した、そのピアノ編曲の聴きどころも解説。
ツアー最終日、丸尾祐嗣氏のピアノだからこそ表現できる「我が祖国」に当てられた新たな光と音響空間に圧倒されることでしょう。
身体と空間の最終調律
知識は、問いに変わったとき初めて旅の道具になります。この回は講義ではなく対話です。参加者それぞれが「この旅で何を問いたいか」を言語化し、チェコへ持っていきましょう。
自分の問いを持った人だけが、土地の声を聴くことができるのです。正解を見つける旅でありません。どこまでも自身を深め本質を見つけに行く、「発見の旅」「感性を開く旅」なのです。
ツアーに参加しない方であっても、この最終回は格別な体験になることでしょう。
料金に含まれるもの
◆チェコ国内の全宿泊費(5つ星ホテル等 5泊)
◆全食事代(チェコメニュー / ベジタリアン選択可)
◆全行程の専用車(Minibus)移動費
◆全施設入場料 · ガイド · ドライバー費用
◆全日程の現地朗読・解説
◆最終日プライベートサロン生演奏
◆事前オンライン講座 全4回
《宿泊ホテル》
◆プラハ:Alchymist Grand Hotel(2泊)
◆リトミシュル:Zamecky Hotel Litomysl(1泊)
◆ターボール:Boutique Hotel Nautilus(1泊)
◆チェスキークルムロフ:Hotel Ruze(1泊)
含まれないもの
—プラハまでの交通費(各自手配)
—海外旅行保険(各自手配を推奨)
—個人的な買い物・お土産
—ホテルのオプションサービス
《お申し込みにあたって》
◆定員15名に達し次第、受付を終了いたします。
—キャンセル料:2026年3月26日以降 100%
◆ フルパッケージ
(ツアー本編+事前オンライン講座)
5,000 EUR
◆ オンライン講座
単独受講プラン
500 EUR
※日本円でも対応致します
※全4回のオンライン講義のみを受講するプランです。
まずはTHE ECHO TOURに触れたい方への入り口となります。
【特別アップグレード制度】
単独受講をお申し込み後、チェコでの本編ツアーへ参加をご決断された場合、お支払い済みの500 EURをツアー参加費の「頭金」として充当いたします。
(残金4,500 EURでフルパッケージへ移行可能。定員に達し次第終了)